今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2015年4月27日月曜日

「第10回俳句一草庵」トーナメント表

第10回の俳句一草庵を 4月29日一草庵で開催します。

一人2句に限定し、俳句を募集したところ、370句が集まりました。

一次選抜句を72句選びました。
その内訳は、県内句 52句 県外句 20句 高校生の句は12句入ってます。 

県外句は、東京、千葉、埼玉、岐阜、長崎、新潟、那覇です。
高校生は、松山東、松山西、伯方、弓削、広島、飛騨神岡高校から投句がありました。




読めるでしょうか。会場へ参加した人に選句権があります。

72句を12ブロックに分類しました。三回戦の俳句合戦がはじまります。

①一回戦は、各ブロックより2句選抜。
 1句は、会場参加者の投票、挙手で選びます。
 残り一句は、選者の先生に残り五句の中より選んでいただきます。

②24句が選抜されます。4ブロックに分けて、4句に絞り込みます。
 この2回戦は、ディベートを行います。

③3回戦は、4句の中より「俳句一草庵大賞」を選びます。

④その他賞として「俳句一草庵大賞あてま賞」を創設、俳句トーナメントの始まる前に、投票用紙を配布し、大賞を予測していただきます。当選者には、記念品を差し上げます。


皆さん、是非参加を。貴方の選句眼を確かめてみませんか。



一草庵で句会をする松山西校生

2015年4月7日火曜日

「第16回山頭火俳句ポスト賞」を発表します。

第16回山頭火俳句ポスト賞』発表。

(投句期間は、26年11月1日~2月26日) 

 表彰式は、4月29日(祝・水)に一草庵で行います。
      
                                        
一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は128句。
(内、県外句の数26句 東京猪江市、町田市、新潟上越市、千葉市、静岡市、奈良橿原市、吹田市、岡山赤磐市、兵庫篠山市、北九州市等)の投句の中より、各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。)
               
                 
山頭火俳句ポスト賞

  大人でも子供でもないセロリかむ  松山市 岡崎唯(12歳)

【評】セロリ特有の香りが好みの分かれるところで、それが上五・中七のフレーズとうまく響き合う。また、セリ科の代表的な野菜と言えば、パセリもあるが、単なる料理の飾りのパセリではなくセロリとしたことで、長さや色などから大人でも子供でもない一種の主張みたいなものもみえてくるし、噛むという行為で、宙ぶらりんな時期を咀嚼しているような感じもする。(白石)
 

山頭火一浴一杯賞

  相聞歌降りては消ゆる春の雪    松山市 丹下恵美子

【評】相聞歌は万葉集の和歌分類の一つで男女の恋愛の歌からなる。春の雪の美しく淡く悲しいまでにすぐに消えるなんとも切ない恋の様を一句にして成り立っている。作者は男性か女性か気になるところだ。(本郷)


小西昭夫・選


【特選】 

 大人でも子供でもないセロリかむ  松山市岡崎 唯(12歳)

【評】思春期に入ったのだろう。自分は大人でもないのだけれど、あきらかに子供でもないと意識する時期である。セロリだって食べられるのだ。セロリ好きの子供はあまりいないのかもしれないが、
「セロリ」でもはや子供ではないことを象徴したのだ。思春期の自分を客観的に眺めていることが素晴らしい。

【入選】

 一人より二人がいい赤とんぼ      松山市 楠本武

【評】人間だから「一人より二人がいい」と思うこと、「二人より一人がいい」と思うこともあるだろうが、「赤とんぼ」に取り合わせるには「一人がいい」では淋しすぎる。やっぱり、「二人がいい」。


白石司子・選

【特選】

 相聞歌降りては消ゆる春の雪      松山市 丹下恵美子

【評】春の雪は牡丹雪になることが多く、淡く消えやすいものであるが、それを「相聞歌」と取り合わせたのが、この句の手柄。上五と中七・下五との取り合わせによって、美しく、そしてはかない相聞歌、また、そういった歴史などが思われる。

【入選】

 紅葉して山の放心始まりぬ       東京都国立市 吉村春風子


【評】古来、多くの詩歌に詠まれてきた桜と紅葉。でもやはり「放心」にふさわしいのは紅葉ではないだろうか。山一面の紅葉によって、放心が始まったのは、山だけでなく、作者自身でもある。


本郷和子・選

【特選】

 雪降りてやさしくなりし軍艦岩          松山市 村上邦子

【評】久万高原・御三戸嶽の軍艦岩のことだろう。雪降るとその雄々しいまでの存在感が不思議にやさしく見えたのだ。次々と降りしきる雪に岩までも消えそうなほどの景であったのか。目に浮かぶようである

【入選】

 春雷や我が生き様のよみがえり       松山市 山本こうじ

【評】夏の雷ほど激しさはないものの、一~二回鳴る雷に、自分の来し方がふっとよみがえったのか、それとも、今現在の生きざまを雷によって、思わず感じることがあったのか、いづれにしろ作者の心の中に雷が一つ落ちたようだ


熊野伸二・選

【特選】

 真鶴の意に添はざれば歩まざる      松山市 西野周次

【評】石田波郷の名句に「吹きおこる秋風鶴をあゆましむ」がある。この句では、秋風が鶴に歩みを促している。が、真鶴(冬の季語)には意思があって、意に添わなければ歩かないーと作者。両句とも、自らの意思を鶴に仮託していると読める。波郷は俳句結社「鶴」を起こした。真鶴の作者は、人の意見に左右されない強さを示している。

【入選】

 冬麗の海辺ことこと一輌車            東温市 井門敬之

【評】JR予讃線の海岸回りの景が目に浮かぶ。冬には豊後水道から吹き込む西風で、荒れることもある伊予灘だが、冬麗で波静かな日も多い。その海辺を一輌車が走る。「ことこと」が、いかにものんびりした雰囲気。世は総じて忙しすぎる。そんなに急いで何処へ行く?余裕を以って生きましょう。

一草庵児童賞

 太宰府の鉛筆二本使い初め    松山市 岡崎 唯(12歳)

【評】その鉛筆は学問の神様、菅原道真公を祭った大宰府天満宮のもの、書初め、筆初めは新年の季語となるが「使い初め」であっても、鉛筆で書く使い初めで在るから良しとしたい、「大宰府」がこの句のポイントである。よく勉強する子どもに違いない。(本郷)