今週の山頭火句

今週の山頭火句 この木もあの木もうつくしい若葉  山頭火

2014年12月31日水曜日

山頭火の新年の句 「水仙いちりんのお正月です」

 一草庵で新年を迎える準備ができました。
山頭火・新年の句がお迎えします。
ご来庵ください。





昨年度から、「一草庵・山頭火カレンダー」を作成しています。
子規記念博物館で、少しだけ発売中。



 12月15日のことを少し掲載。
この日は、山頭火の一草庵入庵日です。
踊りの先生が、村田英雄の山頭火の唄で踊ってくれました。
素晴らしい踊りでした、秋の「一草庵・山頭火祭り」で踊って頂くこととしました。ご期待ください。




2014年12月19日金曜日

「第15回俳句ポスト賞」の報告です。

『第15回山頭火俳句ポスト賞』の発表。
  (パソコン不良で報告が遅れました)

(投句期間は、26年7月1日~10月31日) 

 表彰式は、11月30日(日)に一草庵で行いました。
      
                                        
一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は113句。
(内、県外句の数20句 福島県矢吹町、東京・千葉富津市・静岡浜松市・福井敦賀市・広島市・高知いの町・アメリカ3人等)の投句の中より、各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。)
               
                 
山頭火俳句ポスト賞

 漂泊の旅のはじまり曼珠沙華  松山市 岩崎美世

(評)もちろん、この「漂泊の旅」は山頭火に限る必要はないのだが、母の死を背負い続けた   山頭火を思えば、より切実なものとなる。「曼珠沙華」の別名はみんなよく知っているよ
  に「彼岸花」「死人花」である。山頭火の場合は母だが、だれか身近な人の菩提を弔う
  とが「漂泊の旅のはじまり」、説得力がある。(小西)

山頭火柿しぐれ賞

 明るさがふいになくなる木下闇  松山市 岡崎唯(11歳)

(評)木が茂って樹下のほの暗いさまを「木下闇」というが、「明るさがふいになくなる」という
  捉え方が凄い。上五・中七は下五の説明といった考え方も可能であるが、一句全体から
  は、ふと、神隠しか何かにあったような感覚におそわれるのは「ふいに」の措辞によるも
  のだろうか。(白石)


小西昭夫・選

【特選】二重虹一つは異界へ渡る橋  松山市 村上邦子
  
(評)「二重虹」のことを、俳句では「虹二重(にじふたえ)」と詠むことが多い。この句は「ふた
 えにじ」ではなく「にじゅうにじ」と読ませるのだろうが、そこに初々しさが感じられる。その
 「一つは異界へ渡る橋」である。「異界」は死者たちの世界だろうか。しかし、それを「異界」
 と表現したことで、そこが単なる極楽浄土ではなくなった。それがこの句に深い陰影を与え
 た。

【入選】明るさがふいになくなる木下闇 松山市 岡崎唯(11歳)

(評)評)木が茂ると枝葉が太陽をさえぎり木の下がほの暗くなる。それを「木下闇」と呼ぶこ
  とを教えてもらったのだろう。その「木下闇」という言葉を上手く使って、木陰に入った感じ
  を「明るさがふいになくなる」と表現した。その素直な感覚が魅力。


白石司子・選

【特選】口笛のよくなる日なりバッタ飛ぶ  松山市 田村七重

(評) もしかしたら上五・中七はよくあるフレーズかもしれないが、「バッタ飛ぶ」との取り合わ
  せが斬新。後肢が発達してよく飛ぶバッタを配したことが、「口笛のよくなる日」の爽快感
  を倍増させている。

【入選】 Autumm sky
      has clouds I have
             haiku… 
    
             秋空に雲私には俳句  松山市  田村七重

(評) 一年中でもっとも美しく感じられる高く大らかな秋空には、どこか郷愁を誘う雲があり、
  私には心象を投影させる俳句があるという、山頭火が得意とした二小節構造の句。眼前の
  澄み切った秋空にある、湧いては流れゆく「雲」、そして、こうして生きている私にある、内
  面を見つめるための「俳句」。対句表現にしたことと、「私には」の強調の助詞「は」により、
  自身を支えている「俳句」がより際立つ。
本郷和子・選

【特選】水よりも鐘の音澄む落人村    松山市 村上邦子

(評)山深い落人村に流れる川の水は透明で美しい。
  その水の澄んでいる様より、もっと鐘の音が澄んで聞こえるのだろう。
    視覚の澄むと、聴覚の澄むを合わせて、どちらも澄んでいるが、作者にとって寺の鐘の
   音の響きは心の中に沁みこんでくるように澄み切った音なのだ。落人村の景色が浮かん
  でくる。

【入選】 plucking a spider lily
          the lonely sound rises
           to the sky 
            曼珠沙華折りてさびしき音空へ  松山市 岩崎美世

(評)茎をポキンと折ったのか、この句も又、音を詠んでいる。
 秋の美しい青空へその音が吸われるように感じた。さびしき音と表現したのは、恐らく作者
  の胸の内なるさびしさが曼珠沙華を折った音と共鳴し合ったからにちがいない。
  英語の短詩を日本語の俳句に見事に訳した一句である。


熊野伸二・選

【特選】逍遥や風ばふばふと芒原    松山市 西野周次 

 (評)そここことぶらぶら歩く逍遥。「風ばふばふ」の中七は「芒原」のざわめきを想起させ
  る。すると落ち着いた「逍遥」が、にわかに活性化する。「ばふばふ」のオノマトぺが、
  静から動へ一挙に訴求力を高めた。

【入選】身の内を白き風過ぐ花芒     松山市 村上邦子

(評)ものさびた芒に出会い、秋の“色無き風”すなわち“白い風”が一瞬身内に満ちる。
  沁み透るような寂寥を感じ取った作者の感懐が巧みに詠みあげられた。


選者の先生達