今週の山頭火句

今週の山頭火句 萩の一枝に日がある  山頭火

2012年8月30日木曜日

山頭火ファンの見た、映画「あなたへ」。


遅くなったが、山頭火ファンが揃って、映画「あなたへ」を見た。

映画は、
 このみちや いくたりゆきし われはけふゆく  種田山頭火  の字幕で終わる。

この句は、現存する山頭火日記・行乞記(昭和5年9月 九州地方)の表扉にかかれている。
    このみちや
山頭火最初の行乞記の表紙
         いくたりゆきし
    われはけふゆく

    しづけさは
         死ぬばかりの
    水がながれて

この句は、若山牧水の歌
   幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく
に共鳴して作った句のように思える、旅をしながら、山頭火は牧水の歌をよく口すさんでいた。
 牧水は、1904年(明治35年)早稲田に入学、そして1928年(昭和3年)に病気でなくなっている、享年43歳。山頭火は1902年に早稲田入学、2年先輩。山頭火は1904年に退学しているから面識はないと思うが、旅をしながら、後輩の活躍ぶりを応援していた。

(参考:山頭火は、折本第一句集「鉢の子」を昭和7年6月2日に刊行するが、結庵を諦めて川棚温泉を去る。当初、山頭火は、この句集の名前を「破草鞋」と考えていたようだ。
そのことが解る木村緑平宛ての山頭火の手紙が残っている。<昭和7年3月23日>

 ”句集の体裁も書名もお任せしますが、「破草鞋」と題してはどうでせうか、これは禅語として、使いつくしたものを意味します。そして私の生活に即していつても、清算を暗示しませう、いつぞやお話いたしましたところの、「この道をゆく」は本格的句集に名づけたいと思います、……”

 句集の題名は、「破草鞋」でなく、井泉水の助言を入れて、「鉢の子」に決定。
行乞記の最初に記した山頭火の句
 このみちや いくたりゆきし われはけふゆく の句には、
本格的な句集に「この道をゆく」と名付けたいと考えていた山頭火の思いが、にじみ出ているよう思えた。)

さて、話を映画に戻そう。
 無言の背中に、語らずして人生を表現する、日本映画界を代表する高倉健の存在に、
山頭火の句もかすんでみえる。

 そして、山頭火の句よりも、回想シーンにでてくる田中裕子の歌が、うまいのにビックリした。
その歌は、宮沢賢治の作詞・作曲の童謡「星めぐりの歌」。田中裕子は、宮沢賢治の名を忘れさせるような、さわやかで新鮮な歌声で、兵庫県朝来市の竹田城跡(天守閣のない石垣だけの日本百名城の一つ)の「天空の音楽祭」で歌っている。

 一番の名演技は、余貴美子ではないだろうか。テーブルに置かれた紹介メモの字”大浦吾郎”を見る眼も、妙にいい、この人も語らずして、多くを語る。
 結婚を前にした、彼氏と娘のウェディング・ショットの写真を、海に流して欲しいと英二に頼む。
7年前に遭難したまま、帰らぬ人となった夫に、二人の結婚を報告できるからと…。
倉島英二(高倉健)は、ただそれだけで、勘がはたらく。

 空一面の夕焼け、吾郎の船に乗って散骨に行く。ダルマ夕日が、実に美しい。

夕陽を見つめて、静かに妻の遺骨を海にまく。
カッコいいですよ。そっと静かに稚魚を放流するようにして、海に骨を流す。

そして、英二は戻された退職届を、薄香の郵便局に投函して、平戸を去っていく。
門司にたどりついた英二は、南原(佐藤浩市)に余貴美子から託された娘の写真を渡す。
そして、言う、
あなたには、あなたの時間が流れている」と。(妻・洋子から英二への最後のメッセージだった。)
英二は、妻と共有した時間から旅立ち、自分自身の人生を歩み出す旅に出ようと思う。
残された想い出の中だけに生きるのでなく、
老いてもなお、歩み出して欲しいと願った妻のために。

そして、この映画の最後に登場するのが、種田山頭火の俳句。

このみちや いくたりゆきし われはけふゆく

私はまた旅に出た。
所詮、乞食坊主以外の何物でもない私だった。愚かな旅人として一生流転せずにはゐられない私だった……。(行乞記より)
そんな山頭火の句に余韻を感じ取った人は、いるのだろうか。


映画で紹介された山頭火の句は、3句だった。

   行き暮れてなんとここらの水のうまさは
   分け入つても分け入つても青い山
   このみちやいくたりゆきしわれはけふゆく

<小説と映画の違う処>
★映画では、妻洋子からは2通の葉書。
1通は、1羽のスズメと白い燈台の絵に、
「故郷の海を訪れ、散骨して欲しい」という言葉。
もう1枚は、洋子の故郷、長崎県平戸市の薄香郵便局への局留め。
白い灯台の絵に、5文字の「さよなら」だけ。

 小説での局留め郵便は、長い手紙。
その最初の一行は、 「あなたへ」
「…この局留めの手紙は、今回の旅へと強引に誘い出しました。
薄香の海に散骨をしてもらえば、いよいよあなたとお別れです。
これからは、あなたには、あなただけの「一歩」があると思うのです。
その一歩を踏み出して、どんどん素敵な人生を歩んでください。……
あなたと出会えたことは、私の人生における最良の奇跡でした。
出会ってくれて、ほんとうにありがとう。
心から。 洋子」

★映画で、ビートたけしは、中学校の国語教師で登場。
中学の先生といいながら、なんとなく怪しげな雰囲気を上手にかもしだすビートたけし。
車上荒らしをする杉野、中学教師をしていたのも嘘と、警察に暴かれる。

小説では、女子高の元国語教師、卒業できない女子高生の罠にかかって、そのわいせつ行為で、教職を解雇される。

★イカメシの展示販売所は、大坂の阪急百貨店。
映画では、京都に入って東寺の五重塔が映し出される。そして大坂の阪急百貨店で、健さんはイカ洗いを手伝う。

小説では、広島の福乃屋百貨店となっている。

★小説にはない部分
 台風が通り過ぎて、英二は妻の生まれた故郷を歩るく。

 そして、ある古ぼけた写真館で、立ち止まる、
 ウインドウに飾られてる妻洋子の少女時代の白黒写真見つける。
 じっと見つめていた高倉健は、帽子を取って、
 「ありがとう・・・・」と声を出す。
 カッコイイですね、健さん。
  妻の残した言葉の想いを感じるのだった。

山頭火に次の句がある。
    牧水の歌を誦して
  秋ただにふかうなる今日も旅ゆく  

今回の映画は、倉島英二(高倉健)の富山から長崎までのロードの旅。
その道中で、いろいろな事情を背負った人と出会う。
山頭火が好きという怪しさ漂う元中学校の先生という杉野輝夫(ビートたけし)。
妻に浮気されたイカ飯のトップセールスマン田宮裕司(草彅剛)。
平戸薄香から失踪中の南原慎一(佐藤浩市)。
遭難した主人を思い出す薄香漁港で濱崎食堂を営む濱崎多恵子(余貴美子)。
もうすぐ結婚するという奈穂子(綾瀬はるか)と、その彼氏大滝卓也(三浦貴大)。

今日も旅ゆく山頭火。
山頭火流に言えば、「旅」は「人生」を象徴している。
この映画、旅を通じてさまざまな人生を映し出す。
不幸を背負って
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
と放浪する山頭火の世界が、ふと偲ばれた。

 山頭火も宮沢賢治も、
 歩いているだけ絵になる高倉健に食われてしまった映画のようでもあった。

映画の登場人物を頭に描き、改めて森沢明夫の映画小説「あなたへ」を読めば、
あなただけの素晴らしい心の旅に出ることができるはず。
映画「あなたへ」全国ロケ地マップ

2012年8月17日金曜日

映画小説「あなたへ」で紹介されている山頭火の句。



<高倉健さんへのインタビュー>より

 「以前、(脚本家の)早坂暁さんに『山頭火書こうと思うから、健さんにやってほしい』と言われたことがあるんですよ。僕は、『ええ! あの坊主みたいな』って断ってしまった。そうしたら、フランキー堺が演じたんで、『なんで、あんなのやったの』って聞いた。僕はずれてるんですね。勉強不足だったな。あんないい句を作っている人なのに。でも、なぜ、早坂さんは、僕に山頭火をやらせようとしたのか。今度会ったら聞いてみたい。」

山頭火の句で好きな句はありますか。

「この間、取材を通して教えられた
何を求める風の中ゆく
これはすごいですね。『何を求めて仕事をしているのかな』って。今の僕の心境かな」


健さん、1931年2月16日生まれだから、81歳。
県立東筑高校から明治大学商学部へ。東映のマキノ光雄に才能を発見される。
任侠映画からの脱皮した映画が、1978年、降旗康男監督の「冬の華」(倉本聡脚本)。
今回は映画「ホタル」で共演の田中裕子、「夜又」で共演のビートたけしが登場。

 年をとっても、主役を張れるスーパースターは、高倉健と吉永小百合しかいない。
スタッフは、高倉健さんのもつ魅力を、意気込みをこめて演出する。
高倉健さんは、団塊の世代を代表して、現在を描き、人それぞれの進むべきヒントを示唆する。


琵琶湖のほとりでの場面(小説「あなたへ」より)
杉野の口から出る言葉。
「山頭火は放浪の俳人なんて言われているんですけどね。倉島さんは、旅と放浪の違いって、何だと思いますか?」
  そんなこと、考えたこともない。
「……何ですか?」
「私はね、目的があるかないか、だと思うんです。そういう意味では、芭蕉は旅で、山頭火は放浪と
いうことになりますか。『分け入つても分け入つても青い山』。山頭火はこんなふうに己の思うままに放浪して、自然な想いを五七五にこだわらず詠んだんですよ。だからでしょうね、いまだに人々を魅了するのは」

森沢明夫著、小説「あなたへ」に登場する、山頭火の句を抜き出してみた。

蜘蛛は網張る私は私を肯定する

けふもよく働いて人のなつかしや

分け入つても分け入つても青い山

こんなにうまい水があふれてゐる

行き暮れてなんとここらの水のうまさは

からむものがない蔓草の枯れてゐる

風鈴の鳴るさへ死のしのびよる

鶲(ひたき)また一羽となればしきり啼く

うれしいこともかなしいことも草しげる

ひとりとなれば仰がるゝ空の青さかな (「草木塔」以外の句)

それもよからう草が咲いてゐる

捨てきれない荷物のおもさまへうしろ

このみちをたどるほかない草のふかくも

雨ふるふるさとははだしであるく


 淋しい想いで、ふるさと防府の街をはだしで歩く山頭火の姿がある。
だが、はだしになって歩くことで、いつしか目覚めて、明日に向かっての第一歩を歩もうとする、明るさを感じてくる句。


小説より、倉島英二コト高倉健の行動を追って見る。
倉島は平戸の薄香漁港に着く、キャンピングカーで寝ているのだ。

台風が近づいている。
横殴りの大雨、靴をぬぎ、靴下も脱ぎ、Tシャツとスボンだけになる。
スボンを少しめくって、素足で濡れた雑草の上を歩き回る。
両手を広げて、白濁の空を見上げる。
もっと降れ、もっと降れ……。
雨の勢いが強くなればなるほどに、私の鎧は洗い流され、そして、むぎ出しになりひりひりしてくる。………。だだ裸足になってドアの外に一歩でるだけで、世界はこんなにも違う。
こんな小さな一歩で、世界も、自分も、変えられるチャンスは生じるのだ。
自分が変われば、未来だって……。
変わるよな、洋子。

 この一節を読んで、
 <雨ふるふるさとははだしてあるく>と詠んで歩く山頭火の顔には、いつしか笑顔が浮かんで、変わろうと吹き切れて、第一歩を歩んでいく山頭火が、そこにいるようだ。


下関から山口映画センターの山本末男さんが、一草庵を訪れた。
8年間あたためた構想を元に、山頭火生誕130年を記念して、「山頭火」を映画化するそうだ。
完成は2013年7月(予定)、全国公開2013年11月(予定)とのこと。

 2001年映画「みすゞ」主演:田中美里をプロジュースした人、期待できる。

2012年8月16日木曜日

映画「あなたへ」 主演:高倉健                山頭火句集『草木塔」を携えての旅



映画「あなたへ」脚本(青島武)を原案として、創作された森沢昭夫の小説「あなたへ」を読んだ。

8月25日公開される映画のチラシ写真を見て、高倉健が、ビートたけしが、手にしている本が、潮文社新書の「草木塔」だったからだ。
(私も、この昭和46年6月30日に出版された赤色の山頭火句集をもって、一人旅に出た日を懐かしく思い出す。)


 倉島英二コト高倉健は、富山刑務所から平戸の薄香漁港にキャンピングカーで向かっている。途中、飛騨高山の道の駅から、金魚の糞のように付いてくる杉野輝夫コトビートたけし。
倉島は下関警察署で、杉野から山頭火句集「草木塔」を手渡される。
杉野は、関門海峡の壇ノ浦パーキングエリアで逮捕されたのだ。、そして

 このみちをたどるほかない草のふかくも 山頭火 

の句を口にする。杉野は、その句集を倉島に渡す。
手にしているのは「山頭火句集」
その「山頭火句集」を旅の友として、倉島は関門海峡を渡ってゆく。

杉野は、女子高の元国語教師、卒業できない女子高生の罠にかかって、その猥褻行為が元で、教職を解雇される。

「敬愛する山頭火もまた、不幸の連続の人生の果てに放浪の旅に出たのだ。ならば自分も――。」と盗んだキャンピングカーに乗ってふらりと旅にでたのだった。

山頭火の句、
<分け入つても分け入つても青い山>を口にして。

何故、倉島は長崎平戸の薄香漁港へ向かっているのだろう。53歳、癌で亡くなった妻・洋子(田中裕子)が依頼した長崎県平戸市鏡川町の薄香郵便局へ「局留め 倉田英二様」の手紙を受け取りに行く、期限は10日間。

倉島は15年前、38歳の洋子と結婚する、英二は48歳。洋子は刑務所に慰問にくる歌手だった。彼女の18番の歌は、宮沢賢治作詞作曲の「星めぐりの歌」。
小説の中には、この「星めぐりの歌」と「草木塔」が、さりげなくあらゆる場面で紹介されている。(宮沢賢治と山頭火の登場がいいですね。)

 美人妻に浮気されてしまった「イカめし」を売るトップ・セールスマン田宮裕司こと草彅剛もドラマを彩るのだが、何といっても、このドラマの醍醐味は、謎の人物南原慎一コト佐藤浩市の存在だろう、詳しいことは省略。
 彼は、実は濱崎奈緒子コト綾瀬はるかのお父さん、大浦卓也コト百恵ちゃんの息子三浦貴太と結婚することになっている、その二人ウエディング衣装合わせの時の写真を倉島は、「レトロの街」門司港で、南原に渡す。
 8月25日は、53回目の南原の誕生日、47歳からひとりぼっちの7年間を過ごしていた。

 青森刑務所で木工を教えた杉野との出会い。
 妻・洋子の同級生だった南原との出会い。

 洋子がよく口にしていた言葉。

「不思議な偶然の出会いってね、素敵な出来事の前触れなんですって。3回続いたら、奇跡が起きるらしいわ……。」

 奇跡まで、あとひとつ。その出会いはとは…。

洋子は言う
これは、私らしく人生を終えるための遺言であり、あの人らしく、これからの人生を生きてもらうための手紙にしよう、
遺言がプレゼントになるというのは、悪くないアイデアに思えた、
私の人生で最後にして最大のプレゼントにできたら嬉しいと
幸せなわたしからのプレゼント、最後のメッセージ。

その最初の一行は、 「あなたへ」

「…この局留めの手紙は、今回の旅へと強引に誘い出しました。
薄香の海に散骨をしてもらえば、いよいよあなたとお別れです。
これからは、あなたには、あなただけの「一歩」があると思うのです。
その一歩を踏み出して、どんどん素敵な人生を歩んでください。……
あなたと出会えたことは、私の人生における最良の奇跡でした。
出会ってくれて、ほんとうにありがとう。
心から。 洋子」

 ドラマの中で、杉野は、次々と山頭火の句を紹介する。
彼の一番好きな山頭火の句は、

 <ひとりとなれば仰がるゝ空の青さかな>
 淋しいが、しかし自由なイメージが広がる句だと。
 
 私は、
 <ころり寝ころべば青空>の句を思い出した。

 この映画に出てくる人は、旅する山頭火のように、優しい人たちからの厚意を受ける。

倉島は63歳、この映画は、団塊の世代を見つめて、生きようとする希望の喚起、ガンバローよという声が聞こえてくる。

酒が飲めない、コーヒー好きの健さんのコーヒーを飲む場面が、それぞれの場所で展開する。

洋子の座右の銘は、
「他人と過去は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」
「人生には賞味期限がない」

倉島は言う

「一度きりのこの人生を愛おしく想い、この先を生きていこうと思うことが
洋子が書き残した遺言に対する、今いちばん誠実な答えになっているのではないか」と。

本を読んで思った、25日の日には映画館へ行こうと思う。
そして、
「日本のマチュピチュと言われている兵庫県の竹田城跡」
「カモメがそれぞれの空へと飛んでいく、夕焼けの美しい平戸の薄香漁港」
を訪ねる旅に出たい、涙しながら、励まされた本であった。

http://www.youtube.com/watch?v=qrU_iyvjJQI

http://eiga.com/movie/57096/video/

2012年8月9日木曜日

「一草庵夏の子どもまつり8/5」の報告です。

「ここに第30回近代オリンピアードを祝し、ロンドン大会の開会を宣言します」。
エリザベス女王陛下のこの開会宣言を真似ねて、「一草庵夏の子どもまつり」の開会宣言をして
スタートしました。

最初は、山頭火出前子ども俳句ポストの表彰式です。

  特選句を紹介しておきましょう、
      【特選】 あじさいもぼくを見守る登下校         姫山小4年 青木優真
     【特選】 じいちゃんのえ顔の味するトウモロコシ    姫山小4年 前川大河
     【特選】 金魚すくい人魚がとれたとゆめのなか    姫山小4年 山田心純
     【特選】 大好きなすいかをきらう反抗期        湯築小6年 菊川瞬希


 こんないい句も選ばれていました。
       【入  選】 風あたり心の風鈴「リン」と鳴る   湯築小6年 小松紀亜
       【参加賞】  かぶとむし月の光でとんでいる    清水小3年 田中晴朗

続いて、湯築小学校の6年生5人組が、俳句の勉強をして、
子どもたちの「松山ゆかりの俳人こばなし」と題して、演じてくれました。 
山口百恵の「いい日旅立ち」の歌にのって登場。 

山頭火チルドレンこと、湯築小「明治探検隊」が、明治を代表する4人の俳人を紹介します。

     柿くえば 鐘がなりなり 法隆寺       正岡子規
     赤い椿 白い椿と 落ちにけり        河東碧梧桐
     春風や 闘志いだきて 丘に立つ    高浜虚子
     分け入つても 分け入つても 青い山  種田山頭火


そして、一草庵に関する質問クイズを出してくれました。
   
      ①この「一草庵」で生活したのは誰でしょう。
      ②山頭火はどこの出身の人でしょう。
      ③山頭火さんは、お遍路さんのような格好をしていますが、なぜでしょう。
      ④山頭火はなくなるまでに俳句をいくつ作ったでしょう。 
      この俳句の中で、最もよいと思う句701句を選んで、一草庵で『草木塔』という句集を
      作ったそうです。その句集は、いまでもたくさんの人に読まれています。
      それじゃー、最後に僕が一句を。
  
        山頭火 子どもまつりに 酒すすむ

湯築小「明治探検隊」、チームワークばっちり、お見事!
そうめん流しが始まりました。カキ氷、すいか割りの風景を写真で紹介します。

一草庵前の広場
浴衣姿で応援してくれた大学生

感想を少し。
ロンドン五輪、時差の関係で、深夜から未明のテレビ観戦です。
各選手頑張っています。特に女性と団体チームが。そして、なでしこジャパンが日本の国を象徴的に代表してくれているように感じます。小さな体で走り回って、負けるかもしれないと思いながらも勝ってくれます。
 「なでしこ」、清楚で可憐で、カーネーションのような派手さはないけれど、寒さや乾燥に耐える芯の強い花ですね。これど再生日本の花。
 <風が吹いている 僕はここで生きていく  晴れわたる空に誰かが叫んだ ここに明日がある ここに希望がある>  いきものがかりのNHK五輪ソングです。

 この日の一草庵にも、なでしこジャパンのように、未来に向かって成長する子どもたちの笑顔が一杯いっぱいあふれていました。


http://matsuyama-shimizu-e.esnet.ed.jp/

2012年8月7日火曜日

『第2回山頭火出前俳句ポスト子ども俳句賞』の紹介

8月5日の「一草庵夏の子どもまつり」に、子ども俳句賞の表彰式を行いました。
清水小学校、姫山小学校、湯築小学校の児童が、出前山頭火俳句ポストに投句してくれました。
投句数750句の中より、俳句選者に入賞句を選んでいただきましたので紹介します。
大人の俳句にない新鮮さを感じます。ストライク・ゾーンに一直線で入ってくる直球のようで、心が洗われるようです。

 良寛の詩がある。
「花開時蝶来 蝶来時花開」

子どもたちが
あじさいを、おつきさまを、ひまわりを見て詠んだ句と、どんな違いがあるのだろうか。



『第2回山頭火出前俳句ポスト子ども俳句賞』を紹介します。貴方はどの句が好きですか。


小西昭夫・選

【特選】あじさいもぼくを見守る登下校      姫山小4年 青木優真

 交通状況その他いろいろあって子供たちの登下校の通学もなかなか
大変である。地域の見守り隊の方々も毎日、子供たちの安全な通学の
手助けをしているが、通学路に咲いているあじさいもまたぼくを見守
ってくれているのだ。

【入選】 おつきさま きんいろのべろだしている   湯築小1年 福永 逞
 
 おつきさまのひかりがまっすぐにちきゅうにさしてくる。
そのおつきさまのひかりのすじがまるでおつきさまのべろのようにみえる。
おつきさまがきんいろのべろをだしているのだ。

【入選】さくらさくむねがどきどき新学き  清水小3年 シュマスマン セリーナ

 さくらがさくと新学期がやってくる。クラスがえもあって友だち
との別れや出会も経験することになる。あるいは、彼や彼女といっ
しょになれるのかと胸がドキドキする。不安もあるが楽しみもある
のが新学期。

【入選】菜の花とポーズをきめた写真立て    清水小5年 永見優妃

 春が来た喜びを伝えてくれるものの一つに菜の花がある。そんな喜
びのなかで記念写真を撮った。写真立てにはポーズを決めた写真がきちんと収まっている。

【佳作】あめあがりにじがきれいだげつようび   清水小1年 葛原寛己

 あめあがりにはにじがでるかもしれないというたのしみがある。
そのとおりににじがかかったのは、がっこうがはじまったげつようび。
げつようびがしんせん。

【佳作】風りんがチリチリなってラムネ玉      姫山小3年 玉井友喜

 風りんもラムネも夏の季語だが、そんなことは気にしなくていい。
風りんがチリチリなって、ラムネ玉もコロコロとなる暑い夏である。

【佳作】王様のかんろく見たりかぶと虫       湯築小6年 藤原峻介

  かぶと虫やくわがた虫は子どもたちのヒーロー。ミヤマクワガタ、
ノコギリクワガタ、コクワガタなどいろいろいるのだろうが、やっぱり
 かぶと虫には王様のかんろくがあるのだ。

白石司子・選

【特選】 じいちゃんのえ顔の味するトウモロコシ  姫山小4年 前川大河

 この「トウモロコシ」は、じいちゃんの手作りなのかな?お店に並んで
いるものよりもかたちがすこし変わっているかもしれないけど、それは、
誰が作ったものにも負けない「じいちゃんのえ顔の味」がする。
この句を読むと、じいちゃんだけではなく、前川大河さんの「え顔」までも想像され、ほほえましくなってくる。

入選】 ひまわりはらいおんたてがみ きれいだね  清水小1年 白石もも

 咲いているいる「ひまわり」も、風にそよぐ「らいおん」のたてが
みも、ほんとうにきれいだね。そのふたつを美しいと感じるだけでも
すごいのに、「ひまわり」を、「らいおんたてがみ」と「みたて」たのが、
白石ももちゃんの発見。らいおんたてがみとしたことで、元気いっぱいに
そだっていひまわりがみえてくる。

【入選】 太陽と大きなひまわり にらめっこ     姫山小2年 弓山佳乃

 まるで太陽に向かってゆくように、ぐんぐん成長し、大きくなるひまわり。
それが「にらめっこ」なんだね!元気いっぱいの夏と弓山佳乃ちゃんが、
目の前にいるみたい!


【佳作】 お日様がぼくのアイスを食べちゃった  湯築小4年 荒木聡太

 「アイス」を食べるのに少し時間がかかって溶けだしたのかな?
それを「お日様」のせいにするなんて、さすが!荒木聡太くんのちょっぴり
残念な顔と、ちゃっかりとアイスをいただいた、満足げなお日さまの顔との
対比を想像しただけでも楽しい。

【佳作】 父さんの怒りといっしょのかき氷      姫山小5年 天倉祐志

 今回も「かき氷」俳句がいっぱいあったが、説明的な作品が多い中で
際立っていたのが天倉祐志さんのこの句。かき氷をいっぱい食べると、
キーンときて頭が痛いし、また、食べ方によっては一気に崩れるかき氷。
身近な存在のお母さんよりも、「父さん」に怒られるほうがずっと効く。
それがうまく表現できている句だ。

【佳作】 こうれいのたけのこご飯 夕食に      清水小5年 岡田 彩

 おなかをぺこぺこに空かして学校からかえり、さあ、これから楽しい
岡田彩さんの夕食。でも、お母さんか誰かが作ってくれたご飯を食べると、
いつもと違って、たけのこが少し硬い・・・。それをそのまま表現するのではなく、
「こうれいのたけのこ」としたことが愉快。
この滑稽味こそが俳句!

本郷和子・選

【特選】 金魚すくい人魚がとれたとゆめのなか     姫山小4年 山田心純

 金魚すくいをしていて人魚がとれたなどと夢であっても楽しい。
あっと驚く俳句で、素晴らしい発想に脱帽。

【入選】 あめんぼが空とぶようにすいすいと       清水小4年 藤本健心

 池に写った空を、あめんぼうがすいすいと飛ぶように泳いで
いることを発見したのだろう。観察のよくできた句。

【入選】 ヒット打ち一塁ベースに初夏の風      清水小5年 原井川智哉

 ヒット打って一塁ベースにスライディングしたのか、初夏の風も
一緒になって吹き抜けてきたのか、動きのあるいきいきとした句。

【入選】 風あたり心の風鈴「リン」と鳴る       湯築小6年 小松紀亜
 
 心の風鈴と言った人は今までで初めて。風が心の中まで入ってきて、
さわやかな気持ちにさせたのでしょう。表現力がある。

【佳作】 すいかわり三回まわってすなたたく     姫山小3年 藥師神陽希

 目隠しをして長い棒を持って、ぐるぐる三回まわった後、「エーイ」とふり下ろす、叩いた所は砂だったというユーモアがある句。

【佳作】 かきごおり私の中は太陽だ          湯築小5年 木原樹里亜

 暑い暑い日、体の外も中も、まるで太陽のように炎えて暑い。
そんな時、冷たいかき氷を食べると全身冷えてすっきり。
気持ちがよくでている。

【佳作】 新緑のパッチワークのながめかな      清水小6年 松本大希 

 新緑にも、木々によって、形、濃淡などいろいろ違いがある。
それをパッチワークのようだと発見したのはみごと、遠くかみれば
本当にその通り。
  
熊野伸二・選

【特選】大好きなすいかをきらう反抗期      湯築小6年 菊川瞬希

 お母さんか誰かにスイカを勧められたのに、「いらん!」とすげなく答えたのは、作者本人かな?実はスイカは大好きなのにーです。それを「反抗期」と言い切っていますが、何か気に入らないことでもあって、ちょっとスネてみせたの?
早く機嫌を直してね。

【入選】つばめさんおかえりなさいまた会えた  姫山小3年 武田亜美

 ツバメは、春、日本へやってきて、家の軒下などに巣作りして子育てします。
最初に巣作りした家へ帰ってくるといいますが、作者の家にも、去年のツバメが帰ってきたのです。「おかえりなさい」と迎えて「また会えた」ことを喜ぶ気持ちが
よく出ています。

【入選】しおかけた までがいでてきたおどろいた  清水小3年 野村玲音

 マテガイ(馬刀貝)は、浅海の砂底や泥中に小さな穴をあけて住んでいます。
獲る時には、その穴へ塩を少し振り掛けると、にゅーと貝が出てくるので、
素早くつかむのです。その一連の動きが時系列に沿って詠まれ、驚きぶりが
よくわかります。

【入選】日焼けしてシャワーあびればいたたたた   湯築小4年 矢野和尊

 海水浴などで急に日焼けすると、肌がひりひりと痛いものです。熱いシャワー
でも浴びようものなら、矢野君の詠んだように「いたたたた」です。
夏休みに入れば、思い切り海や山などを楽しんでね。でも熱中症には気を
つけてください。

【佳作】みずたまりかえるはねるよ いいじゃんぷ  清水小1年 正木勇人

 夏の水たまりには、いろいろな水中動物がいて、カエルも、ごそごそ、
ぴょんぴょん移動したりしています。勇人くんは、はねるのを観察し、
「いいじゃんぷ」とほめています。動物がオリンピックすれば、カエルは
三段跳びの選手かな。

【佳作】 なつのさるかおが赤くてあつそうだ     湯築小2年 上松 大夢

 サルにもいろいろな種類がいますが、顔が赤いのはニホンザルかな。
たしかに、夏にあの赤い顔を見ると「暑そう」に見えますね。体が毛にお
おわれている動物は、どのようにして熱さをしのいでいるのか、研究する
と面白いかもしれませんね。

【佳作】田んぼにはいろんな命がやどっている    姫山小5年 真鍋遼多

 稲を植えて水をはった田んぼには、多くの小動物がいます。アメンボ
やミズスマシ、ゲンゴロウ、トンボやカゲロウの幼虫、カメムシ類も。
カエルやイモリもいます。ほんとにいろんな命がやどっていて、みんな友
だちなんですね。

 参加賞

  夏の空ようふくきている水いろの      湯築小3年 越智朱音

  夏の空はよく晴れていて水色そのもの。空も洋服を着ているという
 大人にはない感性、それが水色であるという。
 子供らしい素直な思いつきが素晴らしい。

  かぶとむし月の光でとんでいる       清水小3年 田中晴朗

  まだ月の光が残っている頃、かぶとむしは活動を始める。
 月の光の中、月の光と一緒に飛んでいるのだ。
 とてもきれいで、その様子をだれもが見たくなる句。

  あじさいは雨のシャワーまつばかり      姫山小4年 松田樹李

   あじさいほど雨が好きな花はない。きっと晴れた
  日が続きあじさいが少しぐったりしているのだろう。
  雨のシャワーを浴びてあじさいが生き返るのを待って
  いるやさしい気持ちの作者だ。                (選評・本郷)

2012年8月3日金曜日

8月5日 「一草庵夏の子どもまつり」開催します。

 学校の子どもたち・清水公民館及び地域住民・一草庵を守る人たちが、共に手も取り合って準備した「夏の一草庵で共に楽しむ・祭りの饗宴」のカウンドダウンを開始します。 


 湯築小学校の探検隊が演じる「松山ゆかりの俳人こばなし」and「一草庵クイズ」、見ないと損ですよ。



まつやま子どもの日=8月8日に協賛して、
昨年好評だった「一草庵で夏のこどもまつり」を開催します。ポスターの写真は、昨年のものです。

  ☆日 時  平成24年8月5日(日) 13:00~15:30
  ☆場 所  一草庵<松山市御幸1丁目 護国神社西隣>

  今年は、こんな事をします。
   ①「山頭火出前子ども俳句ポスト」の表彰を行います

   ②子どもたちが勉強して「松山ゆかりの俳人こばなし」をします。

   ③子どもたちによる「一草庵クイズ&ミリオネア」もありますよ。
                ”ファイナル・アンサー !?”

  もちろん、竹サオで作ったそうめん流し、すいか割り、かき氷も準備しています。
   
  ご家族そろって、お越しください。
  入場は無料です。

  夏まつりの体験の思い出を、一句ひねってくださいね。
  抽籤箱を用意してますよ。 
  
<支援:松山市青少年育成市民会議 坊つちゃん夢金庫>

   ■問い合せ先 NPO法人まつやま山頭火倶楽部 090-6882-0004

 

2012年8月2日木曜日

This straight road, full of loneliness

第8回山頭火俳句ポスト大賞は、カナダの俳人の詠んだ英語HAIKUが選ばれた。
  As the sun set
  the earth's shadow

  took that mountain    tim sampson
   (訳 夕焼ける地球の影があの山に) 

夕焼ける空の向こう、人の住むあの山に影が落ちる、the earth's shadowが…。
生きている証しとして影は存在するのだが、その“地球の影”の中に、どうしてか被災地・東北の姿が見えたり隠れたりする。

一草庵に設置された“山頭火俳句ポスト”に、初めて英語HAIKUが4句投句されていた。
山頭火ファンも国際的で、一草庵というプラット・フォームも、ちょっぴりグローバル化した感あり。
そのほかに、山頭火を詠んだこんなユニークな句の投句もあった。
  his mother's face
 swims in his sake glass
 ‐Santoka          Beverley George
   (訳 盃に亡母浮べいる山頭火)

                       <訳は、乃万美奈子さんにお願いしました。>

 嵐山光三郎さんのこんな文章がある。
 アメリカで親しまれている俳人は、芭蕉のつぎは山頭火で

 まつすぐな道でさびしい

の句がよく知られている。ニューヨークのコロンビア大学で句会をしたとき、アメリカ人がやたらと「フル・オブ・ロンリネス」(さびしさでいっぱい)というフレーズを使いたがるので不審に思った。これは、山頭火の句が

「This straight road, full of loneliness」

と訳されて、広く暗唱されているのだった。それで私も暗唱してしまった。

 英語ハイクの本が読んでみたくなった、本棚につぎの本あり。
八木亀太郎先生論文「米俳句の歴史、現状及び問題点」(1973年)
佐藤和夫著「俳句からHAIKUへ」(1987年)
星野慎一著「俳句の国際性」(1995年)

 八木先生の「HAIKUという名の短詩」という1976年9月の愛媛新聞の記事も出てきた。
日本は国際文化に関するかぎり、そのあらゆる史的段階において、受動的であった。
奈良朝時代より今日まで、入超の一途をだどり、精神文化の国際収支は世界最大の赤字国である。…… 唯一の例外は「俳句」である、と。

 日本の俳句をアメリカに紹介した忘れてはならない外国人として、R・H・ブライスハロルド・G・ヘンダーソンがいるそうだ。

日本に永住したイギリス人ブライス(1898-1964)には、英文の“Haiku”四巻(1949)がある。東京大学から俳句研究で文学博士号を受けた人。
その序文に、
「筆をおくににあたって私は証言しなければならない。バッハの音楽や中国の絵画と共に、
生涯のもっとも偉大な、もっとも純粋な、もっとも喜びを与えてくれたのは俳句であった」

鈴木大拙の弟子として「禅」を学ぶ。
「俳句は一見簡素に見える。その内容の深さとその根源とを凝視するならば、そこには思いもよらぬ世界が存在する。… 俳句は禅の境地から理解されねばならない。」
「俳句は詩ではない。文学でもない。それは、うなずき招く手、半ばひらいたドア、きれいに拭き清められた鏡。俳句は自然に帰る道である。」とも言っている。
 学習院大学の教授の身分で亡くなる、その時の学長は、愛媛出身の安部能成だった。

 アメリカで俳句熱が盛んになったのは、1960年ころからだそうだ。アメリカ俳句の父ヘンダーソンの名著『俳句入門』(An Introdakuction to Haiku)―副題「芭蕉から子規にいたる俳句と俳人のアンソロジー、約200ページ本は、飛ぶように売れてアメリカ俳句熱の原動力となったそうだ。
反響が大きく、引続き1967年『英語の俳句』“Haiku in English”という一書74ページも出版している。そして1968年アメリカ俳句協会The Haiku Society of Americaを創設するのだった。

(※ヘンダーソンは、ウォーナーWarner博士と協力して、奈良・京都の爆撃をせぬようにとルーズベルトに進言した人。)

カナダのことについて触れます。ヘンダーソンの影響をうけたカナダの著名な俳句詩人がいました。その人は、医者のエーリク・アマン(Eric Amann)。「俳句における禅」を研究。

こんな俳句を作っています、いががでしょう。

 Summer loneliness;
 through the endless afternoon
 cicada voices
   (訳 夏の孤独 はてしない午後の長さ 蝉の声)

 Gout patients
 sit in the waiting room
 autumn rain……
   (訳 待合室に坐る 通風患者たち 秋の雨…)

 八木先生は次のように説明している。

言葉や文の構成が素直で、いかにも自然に聞こえる。老人になると、リューマチとか痛風とか、そういった痛みを覚える病気になりがちである。医者の待合室に来て、同患の病人たちが、そこはかとなくぼやいている声や、また話しの内容までもおのずと伝わってくるようだ。こうした病気がでるのは、秋口から寒くなりぎわだから、これでおおよそ季節もわかるが、さらに最後の「秋の雨」でしめくくられている。とりわけこの句を強めているのは、二行目の第一語「sit」(坐す)である。とにかくsittingとしたがるのだが、-ingは英語の俳句では禁物である。

乃万美奈子さんが、山頭火俳句ポスト賞を受賞するカナダのtim sampsonさんに、快く連絡を取ってくれた。
彼の紹介をさせていただきます。

カナダのカルがリーに住む51歳の禅僧。東京で15年前司祭に任命され、サンフランシスコの禅センターに長い間住んでいた。
仕事はカルがリーの禅practitioners の小さな禅の共同体の僧。
お遍路さんとして、四国八十八カ所を巡り、一草庵へ立ち寄った。

そして、彼のメッセージが届きました。
私はカルガリーのMagpie Haiku Poets 俳句グループのメンバーです。 
松山から帰り、俳句にいろいろな面からとても興味を持ち始めています
多分この賞が、新しい私をスタートさせることでしょう。
私は日本にいる間に沢山俳句を書きましたので、いい俳句を小さな本にしたいと思
います。私は歩くのが好きです。それで山頭火が好きなのかも知れません。
彼は困りものではありますが、心はきれいだと思います
今夜 私は禅community の会があるので行かなければなりません
私たちは坐禅をして walking meditation をして 一緒にHeart Sutra (お経)
を 唱えます。どうも有難うございます。

『俳句―松山からのメッセージ』の山頭火紹介の部分
、八木亀太郎先生は、東京時代に知り合ったヘンダーソンを通じて、昭和43年ころから米国の俳句雑誌に俳句や子規、松山などを紹介する俳句随想を寄稿していた。没後、その中から選ばれた25編の俳論(1968年~1980年)が、友人で作家のスラットラーさんの手でハワイ大学から、『俳句―松山からのメッセージ』として2001年に出版されている。