実は、ミュージアム・ショップにおかしていただいていた「まぼろしの琵琶・俳人山頭火」のDVDが売り切れてしまったとのことで、追加を持って行った。
「子規博垂れ幕10年展」(3階の特別展示室)を覘いてみた。
天野祐吉名誉館長の言葉、
俳句には挨拶みたいな面があります。
そう、気さくな、でも奥の深い、季節の挨拶。
通りすがりの人に子規さんが気楽に挨拶の声をかけるような、
そんなふうにできたらいいなと思ったんですね。
そんなつもりで子規博の前に月替わりで子規さんの句を出し始めてから、
子規記念博物館 |
足掛け十年になります。
選句のポイントは、わかりやすくて、なるべく楽しいもの。
憂な顔で挨拶されても、ちょっと対応に困りますからね。それから、挨拶なんだから、声が聞こえるような感じにしたい。
そのため、文字は活字でなく、手書きにしました。経費節減のため、ぼくが書きましたので、へたですいません。
これは子規さんには、内緒にしてください。
素敵な、話しかけるような俳句の書でしたので、長くなりましたが、その言葉を引用させていただきました。
5月の子規の句は、
鯛鮓や一門三十五六人 子規
私の大好きな安西水丸のイラストもありましたので、紹介しておきます。
(ちょっと一言、安西さん、村上春樹さんとは友達で、「ノルウェイの森」は水丸さんがモデルらしいですね。)
柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺 |
2階で、俳句に「絵」をつけるととても楽しくなりますという「俳句美術館」という展示会をやっていました。そこに、「山頭火の句」が紹介されていました。
何もかも夢のような合歓の花さいて 山頭火
「夢のようにはかないけれど、そんな夢の中にあるからこそ素晴らしい人生」というものの姿を
詠っていてくれることで共感が湧き立ってきます。」と藤岡抱玉さん、コメント。
この句は、昭和11年の7月19日の其中日記に載っています。
長い東北の旅、平泉、永平寺を終えて、瀬戸内海に浮かぶ広島県大崎上島の生野島の陶芸家・無坪さんを訪ねています。
この日の島の日記は、旅で作った俳句の整理をしているようです。
もう一つ山頭火の句の書がありました。
誰か来さうな雪がちらほら 山頭火
この句は、昭和9年其中庵での作。山頭火は、この句を一代句集「草木塔」で自選しています。
「山頭火の句」を見つけたので、皆さまに紹介させていただきました。
書・藤岡抱玉 |
書・山沖春闌 |
(写真上手く撮れずに、ゴメンナサイ)