愛媛新聞の多和さんが、「琵琶歌・俳人山頭火」復活の記事を書いてくれました。
いよいよ、10月10日(月・祝) 午後3時より 山頭火終焉の地・一草庵で
琵琶「俳人山頭火」再現コンサートが開演されます。
琵琶「俳人山頭火」再現コンサートのプ ロ グ ラ ムは、次のとおりです。
〈曲目〉「西郷隆盛」 筑前琵琶橘流 日本橘会 見立旭庸
「敦盛」 錦心流薩摩琵琶 全国一水会 明庭豊水
「俳人山頭火」 筑前琵琶橘流 日本橘会 見立旭庸
【西郷隆盛】
明治十年二月、征韓論に破れ、鹿児島に引きこもっていた西郷は、血気にはやる学生達に
擁せられて、やむなく兵を挙げました。
激しい攻防戦が続き、惨敗の一途をたどった西郷は、故郷鹿児島に引き返し、やがて岩崎
谷の露と果ててゆきます。
♪孤軍奮闘囲いを破って還る 我が剣は既に折れ 我が馬はたおれる 秋風骨を埋む
帰郷 の山
明治維新の功労者、一代の英雄、西郷隆盛の悲運の最後を伝える物語です。
【敦盛】
一の谷の戦いで源氏に破れた平氏は、一の谷を落ち延びましたが、
逃げ遅れた平敦盛は勇敢、果敢に熊谷直実にいどみますがあえなく打ち取られます。
♪兜をつかんでうち見れば、思いかけぬ十五、六 涙ながらに振り上げし
太刀に哀れや磯千鳥 鳴くも悲しき須磨の浦
(平家の若き公達・平敦盛が、源平の戦いで、剛毅で知られる源氏の武将、
熊谷直実に組み伏せられ非業の最期を遂げるところを、臨場感たっぷりに語ったもので、
戦場の荒々しさと、若く美しい敦盛を前にした直実の心の迷いと、討ち取られる敦盛の
無常観のコントラストが、琵琶の音色と力強い語りで見事に再現され、聴く人の涙を誘い
ます。)
【俳人山頭火】
分け入つても分け入つても青い山
人生を俳句に求めて、放浪漂泊の旅を続けて十五年。
俳人山頭火は、この松山の一草庵を終の棲家としてコロリと往生します。
その山頭火の一生を琵琶の音色で弾き語ります。
♪都の西北 早稲田の森に 学びし頃の黒髪を
剃って棄てたる山頭火 黒染めの衣に あじろ笠
ふかくかむりて鉢の子を
片手にもちて ひょうひょうと……
遍路を終えて松山なる 一草庵に住みてより
友あり酒あり湯もありて 伊予の風土を愛しつつ
腹はへっても句は作り 『草木塔』を世に出しぬ
シルクロードを通って、中国より奈良時代に伝来した琵琶。
その日本最古の琵琶が、正倉院の「螺鈿紫壇五弦琵琶」です。
琵琶の音色、なかなか聴く機会はありませんね。
いにしえの琵琶の音にふれて、現世を忘れて、別世界へいってみませんか。
※ 一度お目にかかったことのある、金田一春彦先生が平家琵琶の名手だったとのこと、
ビックリした。