今週の山頭火句

今週の山頭火句 さてどちらへ行かう風がふく  山頭火

2010年3月28日日曜日

桜さくさく「く三庵めぐり」。

山頭火に、 
さくらさくらさくさくらちるさくら」        
「なければないで、さくら咲きさくら散る」 
の句があったので、桜さくさく「三庵めぐり」を計画。(3月28日)

三庵とは、小林一茶も、尊敬して教えを請うて、伊予の国に訪ねて来たという、俳人栗田樗堂(ちょどう)のいおり、「庚申庵(こうしんあん)」
夏目漱石が正岡子規と52日間すごし、文豪・俳人として巣立つきっかけとなったいおり「愚陀佛庵(ぐだぶつあん)」
それと、山頭火・終焉のいおり「一草庵(いっそうあん」です。

入社4年目、最初の赴任地・松山で頑張っている 朝日新聞の美人記者が、
桜さくさく「三庵めぐり」を記事にして報道してくれました。
<サクラを眺めながら、点在する句碑の紹介に加え、松山の街の史跡の説明もあった。参加者は、三つのいおり以外にこんなにも句碑や史跡があるなんてと感心していた。>とのコメントを添えて。

三つの庵が交代で当番を務めました。今回は一草庵の担当。参加の皆さんに次の資料(地図)を配り喜ばれました。(クリックすると、地図が大きくなります。)

2010年3月20日土曜日

『第1回山頭火俳句ポスト賞』決定

投句期間:平成21年11月29日~22年2月28日

昨年21年11月29日設置された一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された137句(内、県外の人の句は10句)から、各選者の先生に選んでいただきました。4月29日「俳句一草庵」開催日に表彰。

山頭火俳句ポスト賞(冬季)
 山頭火の眼鏡まんまる冬ぬくし        松山 小原恵美子

(評)山頭火の風貌の第一の特徴がセルロイド縁の真ん丸い眼鏡である。
度の強い眼鏡の奥の本当の目が何を見つめていたのか。  カモフラージュしていた眼鏡でもある。ちょっと見には、とぼけても見える山頭火を冬の陽光と作者が暖かく包んでいる。(熊野) 

小西昭夫・選
【特選】 木枯らし吹いて山は寄せ鍋      松山 木城香代

(評)外は木枯らしが吹いて寒い。山では寄せ鍋を食べて暖をとる。この句、自分が山で寄せ鍋を食べているとも、自分は街にいて山の人々の食事を想像しているとも読める。だとすると、山は父母の住む作者のふるさとかもしれない。この句から伝わってくる暖かさを思えば後者の読みが魅力だ。

【入選】 返り花一草庵の猫日和        松山 高橋佐和子

(評)返り花の咲く小春日和の一草庵。縁側では猫が日向ぼこをしているのだろうか。
猫日和がお見事。

白石司子・選
【特選】 山頭火の眼鏡まんまる冬ぬくし    松山 小原恵美子

(評)山頭火の眼鏡に着目したところが発見。季語の取り合わせもうまい。
一句全体からは、山頭火に対する作者のあたたかいまなざしみたいなものを感じる。

【入選】 柿落ちて空へさえぎるものなし一草庵 新居浜 永井由紀子

(評)写生句のようであるが、一草庵に来た作者の心の中までもが澄んでいるような
思いを一句全体から感じる。私にとっても一草庵とは、そういう場所である。
ただ「空」がなくても意味は通じるかも知れないしリズムもよくなる、そこが特選との差。

高橋正治・選
【特選】 蟷螂のみどり冷たき墓標かな     松山 谷 明子

(評)墓標に一点に佇ち止る。かまきりが人様に何も言える筈もないことは承知である。
かまきりはそこに満足して動かない、終極と浄土を心に描く。

【入選】 傾く石に傾いて坐し冷ゆる         松山 伊藤海子

(評)栄枯浮沈を静かに見つめる平常心こそは自然の本領である。
傾いた石に坐り自分の不完全を思う。

熊野伸二・選
【特選】 裸木いっぽん愚を貫きし山頭火    伊予 和中つた
(評)葉を落し尽して立つ一本の落葉樹。侘しくも見えるが凛乎たる姿である。
それは「私の道は、私の愚をつらぬくより外にはない」「愚に帰れ、そしてその愚を守れ」と、
わが道を歩いた山頭火に通じる。
【入選】 数へ日や夜の雨聴くへんろ宿      東京都町田 佛渕雀羅
(評)「今年もあと幾日」という年の瀬の夜を、へんろ宿で迎える境遇。
しかも冷たい雨が降っている。行乞流転した山頭火も、何度そんな夜を過ごしたか知れない。
悲観とも達観とも読める句。

本郷和子・選
【特選】 傾く石に傾いて坐し冷ゆる       松山 伊藤海子

(評)人間の孤独感、寂寥感のようなものを感じる。山頭火が川の岸辺の岩の上で
坐っている写真を思い出した。

【入選】 山頭火の眼鏡まんまる冬ぬくし    松山 小原恵美子

(評)季語の斡旋が的確。「眼鏡まんまる」に明るさ優しさ、ユーモアさえ表現できている。

2010年3月9日火曜日

世界に紹介された十六日桜(小泉八雲 ラフカディオ・ハーン)

今日3月9日は、寒い寒い日でした。
寒さをふっ飛ばしてくれそうな桜の花をどうぞ。


一草庵の近くの十六日桜を見に行ってきました。
陰暦の一月十六日に咲くらしい。2月末、3月の初め見事に咲きます。

小泉八雲の「怪談」により、英文で世界に紹介された桜です。
孝子桜として名高い桜が この十六日桜です。
重病の父が「一目桜の花を見て死にたい」というので子供の吉平が桜に祈ったところ、
大寒にもかかわらず花が咲いたそうです。この奇跡により老父は長寿を保ったとのこと。

子規は「うそのような十六日桜咲きにけり」と詠み、
山頭火は「咲いて一りん ほんに一りん」と詠んでいます。

「つくしけん 人のまことをにおわせてさくかむ月のはつさくらばな」 西村清臣(西村清雄の祖父)の歌も紹介されていました。
小林一茶も、この桜を訪ねています。